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大野 英雄; 萬木 貢*; 古川 和男; 高木 喜樹*; 中村 哲郎*
J.Chem.Soc.,Faraday Trans.,I, 74(7), p.1861 - 1870, 1978/07
Pb-Cl-LiCl系溶融塩は、核融合炉の遮蔽体への応用が考えられている有用な物質系である。本稿では液体状態での諸物性値を系統的に考察するのに必要な液体構造をX線解析により研究した。この系においては、電気伝導度、分子容等の測定から、〔PbCl〕ピラミッド型錯イオンの存在が予想されていた。しかし本研究の結果、溶融PbCl中ではPbのまわりに約7個のClが存在し、rigidな〔PbCl〕錯イオンの存在は認められなかった。LiCl濃度を増加させると、PbのまわりのClの数は約6個に近づく。しかしこの場合も、rigidな〔PbCl〕錯イオンが存在していると考えるよりは、平均的にOctahedralに近いPbCl配位をしていると考えた方がよいであろう。